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コラム
心に吹く隙間風
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心に吹く隙間風その29

 「地獄の沙汰も金次第」とは言うものの、有り余る金を持つことはこれまた地獄である。その意味では何ともお気の毒なのは鳩山首相である。
毎月母上から1500万円もの資金提供を受けていたとのこと。それが資金提供なのか贈与なのかについては、ここではあえて言及を避けるが、いずれにせよ「知らなかった」とは到底思えない。もしそうであれば母上に対して失礼極まりないことである。折角の1500万円を「知らなかった」で片付けられる側の気持ちは察するに余りある。
もし私が母上の立場なら、そんな息子は即刻勘当である。どんな物差しを使っても、1500万円という金が大金でないはずがない。母上も母上である。
大金を使途不明なまま息子に移動させるという話が世間に対して本当に通用するとでも考えているのだろうか。到底私には信じられない。
 ものは試しではないが、先日私は実父にこんな話しを持ちかけてみた。それは私に毎月1500万円の資金提供もしくは贈与をするといった内容のものである。
それに対して、実父は間髪要れずにこう切り替えしてきた。 「お前は正気か」
 実父のこの言葉は重い。なぜなら、これは私たちが生きている現実の感覚だからである。この感覚を舐めてもらっては困る。秘書の問題ではない。
事実を巧みな日本語ですり抜けられては、子ども手当てによって将来を託されようとしている子どもたちの教育にもよろしくない。

甲山羊二
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