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コラム
心に吹く隙間風
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心に吹く隙間風その31
腰パンが騒動になっている。競技以外のところで騒がれる国母選手とやらも、気の毒といえばそれまでだが、公式の場とそうでない場との服装のわきまえ位はしっかり身に付けておくべきだろう。確かに周囲の責任もある。
しかし、そんな責任転嫁よりも、わきまえのない本人の責任の方がよほど重い。
わきまえとくれば、服装だけにとどまらない。言動のわきまえのなさも目立ってどうしようもない。
国母選手なんかよりも社会的地位もあって、それに伴う社会的責任も求められる立場の人間の言動の稚拙さには呆れるばかりである。
ここで取り上げたいのは、リコール問題でようやく会見に臨んだトヨタ自動車の社長の発言のなかに出てきた「ご心配をかけた」という表現である。
人間の生死に関わる一大事において、不特定多数に対して「ご心配をかけた」はないだろう。心配というのは配慮を意味する言葉である。私たちが一体どのような配慮をしたというのか、しっかり伺いたいものである。心配という配慮などしていない。
エコな自動車にひき殺されるかもしれないという、そんな相手にどんな配慮が必要なのか。正しくは「不愉快な思いをさせた」である。
この程度の国語力だから、いつまで経っても日本はアメリカからなめられる。そして上げ足をとられ続けるのである。腰パンよりもこちらの方が大いに問題である。
甲山羊二
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