心に吹く隙間風Ⅱその34

 先々月のことである。時刻はお昼過ぎ頃。
 所轄の警察署員御ひとりが自宅を訪れた。もちろん、一切合切のアポは全くもってない。
当該要件は、特殊詐欺撲滅に係る呼び掛け並びにその協力に関するお願いとのことである。
成る程、実にご苦労なことである。普段のそうした治安維持活動は心強い。しかも「特殊詐欺撲滅」を表示した、黄色いシールまでご持参である。こういう税の使用もありなのだ。
ここで、要件とやらをようやくしておこう。

 金融機関で被害を見掛けたら、その方に一言お声掛けをお願いしたい。そうして、特殊詐欺撲滅に是非とも協力して欲しい。云々。

 成る程、納得ではある。その上で丁寧丁重にお断り申し上げた。理由は至って簡明である。ここは忌憚なくいう。何故に詐欺にあうのか。その無神経さの方が問題である。限りない性善主義者と、僕のような、天を突破する性悪主義者は、決して相容れることはない。そのような、お天気野郎と関わることは、時間の浪費でしかない。詐欺師はもちろん、被害者に関わることも決してしない。これこそが、我が身を守る最善策であると心得ている。

 話は変わるが、昨年末のこと。自宅前に、違法極まりない、糞のような駐車があった故、所轄の警察署に指導をお願いした。だがしかし、時間は経てども、署員は一向に表れない。
面倒くさいとのご判断であったのだろう。流石的中。当該馬鹿車はいつの間にか去った。
 これは「特殊詐欺撲滅」協力お断りへの仕返しだったのかしら。いやいや、そうではあるまい。警察内部の不祥事一掃に、或いはその隠ぺいに奔走されておられる。きっと、そうであろう。警察も当てになるようで、ならないこともある。むしろ任侠の方々の方が、素早い動きで頼もしい。そんなことをいうと、「反社会勢力と付き合いがある」と噂が立つ。
更に忌憚なくいう。昨今、警察官も劣化甚だしい故に、反社会的勢力との見分けが難しい。

甲山羊二