沢田教一
『ライカでグッドバイ』
僕はこの本で彼に目覚めた
沢田教一そしてベトナム戦争
ベトナム戦争そしてその後…
彼ほど本気で平和を祈り続けた写真家を僕は知らない
先月のこと
京都高島屋にて沢田教一の写真展が開催された
そこには沢田教一が体感した失望と絶望とがあり、同時に沢田教一
がようやく見出した切なる希望が充満していた
切なる希望…
それは彼が妻に送った最後の手紙から見て取れる
そこには普段彼が用いることのなかった「運命」の二文字があった
運命
この言葉と彼の死を結びつけるのは簡単だ
でも僕はそうはとらない
彼は失望と絶望の彼方に何かを見つけた
それは自らの内に潜む覚悟だったのではないか
沢田教一が運命の二文字とともに決した覚悟
一体全体覚悟とは何か
目覚め悟る
それはぼんやりとした目覚めや悟りではない
確信と自信に満ち満ちた目覚めと悟り
平和は希望と隣合わせだ
但しそれは覚悟を伴う
覚悟のない平和は言葉の遊びに過ぎない
運命の二文字は沢田教一が遺したまさに含蓄あるメッセージに他ならない
運命と覚悟
両者ともにもはや素通りなどはできない
沢田教一が生きていたならそう語るだろう
いや既に彼は語っていた
ライカを通して…
しかも戦場から
人々の生と死を通して…
さらに彼は語り続けるのだろう |