甲山さんの好きな作家を挙げて下さい
こうした類の質問に対してまともに答えることについて僕は正直へきへきしている…
質問者の質問はいつも自由で気ままだ…
それに質問者は予め回答を練り上げその範疇にはめ込むことしか考えていない…
僕の好きな作家はマンスフィールドと赤江漠と村上春樹と須賀敦子と…
そこで質問者は大いに裏切られ時には気分を損ねて僕に失望を覚える
なぜマンスフィールドや村上春樹がいけないのだろうか
実はこういう質問は同人仲間が発する場合が極めて多い
夏目漱石や志賀直哉や田山花袋などなど…
彼らが期待する回答は殆ど決まっている
そして僕もまたそういう相手の態度をアホかと思う
書き手がこうだから読み手もそっぽ向く
相乗効果はいつも健全で等しいことがこれで分かるという訳だ
とにもかくにも僕はマンスフィールドという作家が大好きだ
彼女の短編はいつも揺れている
つまり欲張りでなくひ弱さもなく強情でもない
読む度に印象が違う
こう読め、ああ読め、などといった押し付けがましさが感じられない
小説はこうでなきゃ
質問者の期待を裏切ることはとても愉快だ
だいたいそういう質問を事も無げにする連中ほど僕の作品に目を通したこともないのが殆どだ
質問は相手を調べてやる方がいい
推薦図書を挙げてくれという依頼もこれまた然りだ
三島由紀夫の「憂国」を僕が推薦してもあれこれ理由を付けて却下する
こういう例は建前だけの学校に多く見られる
マンスフィールドはとにかく良い
一度読んでみな
と推薦しても読まない人は決して読まない
好きな作家を公表しようが好きな作品を推薦しようが相手の知性にもよりけりだ
やるだけ無駄ならやらない方がましだ…
あの人は芥川龍之介の再来だ
そんな台詞しか吐けない人ほどなぜか他人への妬みだけは凄い
日本人はだから興味深い訳だ |