MyBlog Ver1.40



甲山羊二オフィシャルブログ
Writing by 甲山羊二
 オフィシャルページにある奥の部屋で、コラムでもなく、エッセイでもなく、もちろん小説でもない、ただのつぶやきをほんの少しだけ形にしようとする。
 僕がつぶやくことで僕自身が導かれ癒され納得する。
 それもいい。
 さすが典型的B型人間甲山羊二だ。
 だからいい。やはりいい。


■公式ホームページ



幽玄の音色の世界へ
無限の音色に酔う
音は無限の様相を持つ…
それに比べて詞は極めて有限である
時々の人々の感性に制約される詞…

音と詞が連なるその時…
詞はようやく無限の芽を開き始める
詞は言葉として霊をもって浮遊する

能管は幽玄の響きを持つ
そうした機会との遭遇を幸福に思う
身体が自然に揺れて言葉が巡り出す

奈良今西家でのその響き
畳敷きと静寂を織りなす庭園の緑色
秋を秋らしく感じる一時が嬉しい…
2024-10-07 12:38:16[587]



言の葉の独り歩き
言の葉は言霊なり
新聞は見るとはいわずに読むという
ネットについては読むとはいわない
ネットを見るという

たとえ新聞が三文広告に満ち溢れていようとも見るとはいわない
これは文字の権威ではなく言の葉の生命を感じ取るからであろう

夥しいネット情報に辟易させられる
執拗に流されるそれに吐気を覚える
ネットは生命がない

読むと見るとでは深遠さについて雲泥の差があることを真に思う
読まなくなった人々のある事柄についてのコメントには失笑する

パワハラなど今や流行語のひとつだ
しかしその原義など殆ど知られない
知らずに言葉を使う

原義を知ってしまえばもはや流行語にはならないし誰も用いない
事実や真相も分からずに流行語を用いる愚かさこそ実は危うい…
2024-09-16 09:44:02[585]


秋待つ夜に思うこと
激暑酷暑の夏から秋へ
兎にも角にも今年の夏は暑かった
いや今年も夏は堪らなく暑かった
たっぷり汗をかいてそれからたっぷり冷えた電車やバスに乗り込む

そうして間もなく下車するとこれまたうだる暑さに身を置いていく

その繰り返しで身体は傷んでいく
今年は久方ぶりに夏風邪をひいた

いよいよ待ちに待った秋の訪れだ
しかしその実感は何とも乏しい…
それで秋らしいことは先ずは食から始めてみようということにした

先日は干菓子を買ってきてもらってそれでもって超美酒を堪能した

秋待つほろ酔いも良いものである
ほろ酔いついでに拙歌を口ずさむ

秋を待つ ほろ酔い美酒に つまみ皿 無為な音無 時は流れる
                        かぶとやま
2024-09-02 14:06:02[584]



横溝正史推理小説考
金田一耕助一考
「病院坂の首縊りの家」は金田一耕助最後の事件となる小説である
映画では観たことがある作品だが、今般活字を初めて目で追った…
およそいずれの作品も活字と映画ではそれなりの乖離が見られる
よってひとつの作品で二度味わえる

金田一耕助先生は各作品ごとにその性格を異にする名探偵である
だからこそ読み手は常に魅了される

横溝作品におけるこうした手法は全く持って偉大なる技法である
末永く読みつがれる所以であろう…

昨年岡山県の総社の町を訪れた…
必死で金田一先生を探したものの、遂に勇姿を見ることはなかった
いやはや金田一先生のみならず…
総社には実際に何にもなかった…
だが何もないからこそ創造できる
金田一耕助は今もどこかにいる…
2024-08-19 08:23:22[582]