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コラム
心に吹く隙間風
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心に吹く隙間風その14

 人は見かけによらない。これは全くもって正論である。
見かけだけで人を判断すると、時に人生を棒に振ってしまうほどの大失態に繋がることもある。
幸いにも、まだ私にはそのような経験は皆無である。
 一方で、人を見かけだけで判断せざるを得ないこともある。
ナイフをもって大暴れしているような少年に、わざわざ近付く必要などなく、先ずリスクは自己責任において回避すべきものであるわけだから、君子危うきに近寄らずについては、これもまた正論である。
 私など、普段はもちろんのこと、通勤も私服、しかも長髪に髭面、さらにリュクを肩にかけて、ヒョイヒョイと歩くとなれば、大方の人はそんな私を避けてくれる。
しかしその逆もある。
歩行や自転車通行など、これは明らかに故意と判断できる当方への突撃行為はまさにその一例である。安全歩行や通行などあったものではない。
見れば相手方は背広正装の会社員風、もちろん素性など知る由もない。ひよっとして、社内ではそれ相当の立場であるのかもしれない。
やはり人は見かけによらないということがよく解る。

 実は私はそういう事態における対処の仕方をしっかり心得ている。
いくら身なりが良くても、そのような危険極まりない非常識な行為を平気でやるような輩は、B級またはC級会社員に違いない。
昨今の日本経済の深刻な不況を考えると、それはB級またはC級会社員による要因が大である。
奴らは日本経済のA級戦犯なのかもしれない。そう考えると、胸がすっとする。是非、その故意的突撃行為を国防に活かしてもらいたいものである。
そこまで考えると笑みさえこぼれてくる。
 もちろん、相手方からの突撃行為は当然回避しなければならない。
しかも最近は、世間では逃亡という行為が大流行している。人は見かけによらず逃亡する。
世間の悪しき風潮や流行は新たな正論を次々と生み出してくれる。
そう考えるのも、リスク回避の原則の一つになるかもしれない。まさに日々勉強、そして日々精進、さらに日々成長が必要なのである。

甲山羊二
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