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コラム
心に吹く隙間風
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心に吹く隙間風その24
大学体育会系クラブの不祥事が相次いでいる。
なかでも京都教育大学と近畿大学の部員による不祥事は、悪質極まりないという点でも記憶に新しい。
特に京都教育大学については、学長の記者会見での不思議な言動には真に圧倒されてしまった。
不祥事を起こした学生について、その事実を隠蔽していたのではという記者の質問に対して、教育的配慮を必要とするものであるとの発言は、詭弁以外の何ものでもなく、むしろ被害者に対する冒涜に他ならない。
配慮を必要とするのは、被害者の側に対してであって、加害者に何の配慮を必要とするのかが全く不明である。
口から出まかせの記者会見なら、やらない方がましである。世間の気持ちを逆なでする言動なら、黙して語らぬ方が可愛い。
それに対し、近畿大学の対応は驚くほど速く、誠実とも受け取れるものであった。
大学は決して偏差値のみでは測れない。誠実さという点では、近畿大学は京都教育大学よりも高いレベルにある。
そもそも大学における体育会系クラブのあり方とは何か。
それはあくまで教育の一環であり、別の意味でも大学の知名度を向上させる役割以外に担うものはない。
もちろん、真摯にクラブ活動に打ち込む姿は大いに評価できる。
それでも、それはクラブ活動に過ぎない。
その謙虚さが欠けると、我が者顔でキャンパスを闊歩し、挙句の果てには不祥事を起こすという最悪の結果を招くのである。
低俗な輩の振舞いは、最高学府の名を汚すに相応しい。
少子化を迎えて、大学が大学自身を省みることも必要ではないか。
なぜなら、大学が大学として半永久的にあり続ける時代は終わったからである。
甲山羊二
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