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コラム
心に吹く隙間風
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心に吹く隙間風その36

 7月9日産経新聞朝刊の1面を見て驚いた。ロシアが「北方領土占領を正当化」との見出しである。
 かつて、ロシアは日ソ中立条約を不当に破棄して北方領土を不法占拠するに至った。それだけではない。日本人をシベリアに連行して抑留させ、強制労働に服させた。それも、戦争が終結した後の話である。明らかな国際法違反を重ねて続けて、さらにそれを正当化する法案を発効しようなどとは、まさしく愚の極みであり、気の触れた国家としか言いようがない。
 個人的な考えとして、ロシアのような国家とはまともな議論など不可能である。その点で言えば、人間も国家も扱いは変らない。では、日本は国家として解決策を持ち得るのかどうかという点に話は及ぶ。それは当然ある。しかも賢明な方法がある。
 世界の歴史を見て、ロシアのような国家は数多く存在した。しかし、そのほとんどは他国家からの攻撃を待たずに内部崩壊している。その意味で、神の計画は着実に進むに違いない。日本が憲法を改正して自国の軍を持ち得ても、貴重なその力をむやみに用いることはない。神の計画をウオッカでも賞味しながら見物すればそれで十分である。
 はっきり言って、ロシアという言葉を耳にするだけでも虫唾が走る。だからといって、決して攻撃などしてはならない。自らの手を汚す必要など全くない。国家同様、人間にも表面的な品格が必要なのである。

甲山羊二
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