牧場小屋
Top
コラム
心に吹く隙間風
目次
心に吹く隙間風その40
最悪の政治である。政策丸投げで責任回避を得意とする総理大臣の詭弁や、青春時代の儚い夢に未だ陶酔し続ける官房長官の気の触れた発言など、まさに失笑続きの喜劇が延々と続いているような状態である。経済も然りである。回復の兆候すら全く見えない。とにかく、政治や経済については、何ら期待するところなどない。付き合いたくないというのが正直なところである。よってしばらくコラムもおとなしくしていればいいのだが、それにしても時間の有り余った大人が、この私を取り囲んで離さない。他人の時間に土足で踏み込むという、全くもって迷惑千万な大人が私の周りに増殖中だから、これまた大変困った話なのである。
例えば、要件だけのぶしつけで失礼極まりないメール、自分の悩みをただ羅列しただけの脈絡のないメール等など、文明の利器は容赦なく私に襲いかかってくる。当然返信などしない。そうして精神衛生のバランスを保つ。今夜の晩酌の肴の方が私にとってはよほど切実で、しかも楽しみなのだから、これは仕方がない。
時間は財産である。だから取扱いには配慮が必要である。配慮のない政治家にはうんざりだが、配慮のない大人にも大概うんざりしている。実のところ、この手の配慮のなさは、書き手によく見られる。そんな書き手のメールはもちろん小説など読む気もしない。
甲山羊二
←39章を読む 41章を読む→