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コラム
心に吹く隙間風
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心に吹く隙間風その42
世の中には色々なコミュニティーがあるものだが、そこにひたすら気の合う仲間だけを求めてやって来る人がいる。私にはそういった人の気持ちが皆目理解できない。
例えば、職場は仕事をする場所であって、生活費を稼ぐ場所である。それを単なるコミュニティーの場と勘違いされては、周囲は全くもって迷惑千万、緊張感は失われ、当然士気は低くなる。学習の場も然りである。明確な目的意識のない人が集まると、教わる側はもちろんのこと、教える側のモチベーションも限りなく下がり続ける。
言いにくいことだが、作家にもほぼ同じような種類の人がいる。いや、さらにたちの悪いことさえある。例会などで作品の合評だけに留まれば話は簡明であるが、他人が所属している別の同人会を、本人を目の前にして事も無げに批判する輩がいる。私であれば、良かれと思うからこそ、その会に所属しているのである。その私を目の前にして、こちらが所属している別の会を批判するデリカシーの無さにはただ呆れるばかりである。そんな人とは一切付き合いなどしない。
職場は舞台である。仕事は演技である。嫌なことは心で怒る。金はこうして稼ぐのである。その金でもって、学習の場で自分を高める。それ以外の目的などない。
私にとって同人会は作家としての鍛錬の場である。他人の作品を訳のわからない屁理屈で批判する場ではない。より良いものを吸収する場であり、私自身が成長する場である。さらに作家としての知名度を高める場である。私にとって、それ以外の目的など断じてない。
甲山羊二
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