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コラム
心に吹く隙間風
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心に吹く隙間風その9
いよいよ北京オリンピックが来年と迫った。
これまでのなかで最も怪しげな開催地である。
中国といえば、悠久の歴史を持つ大国である。
しかし一方で、偽造と歪曲に燃える大国でもある。
偽物を本物と偽ることなど朝飯前、北京オリンピック開催の横で、偽北京オリンピックが堂々と開催されないとも限らない。
偽物は別として、本物のオリンピックはただの国際競技大会ではない。「参加することに意義がある」などは競技者を甘やかすだけの標語である。
国家を背負って立つのがオリンピック、「負けたなら死んでやる」くらいの闘志をもって望むべきである。
しかし何といっても中国での開催は気に懸かるところである。
オリンピックの期間中も何が起こるか知れたものではない。
ダンボール入りの豚まんを始めとした世にも恐ろしい食品による健康被害などもその一つである。
しかし何よりもメダルの偽造には最も目を光らせるべきであろう。
何処でこしらえたかわからないような偽物金銀銅メダルが本物と摺り返られる可能性もある。
いや、鉛メダルなる新しいメダルの創設も起こり得ることではないか。こうなればルールも何もあったものではない。
これでは横浜の中華街や神戸の南京町で行われる曲芸大会とレベルは変わらない。
とにもかくにも、日本代表選手の活躍を祈るばかりである。
いや、祈るのは活躍についてだけではない。
健康で無事帰国できることも、重ねて祈るばかりである。
甲山羊二
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